
エヴァンゲリオンって有名だけど、TV版や映画っていろいろあるなあ。



どの順番で観れば作品の魅力を余すことなく味わえるのか気になる
エヴァンゲリオンはTV版、旧劇場版、新劇場版と複数のラインが存在し、視聴初心者にとっては悩みのタネです。とくに「新劇場版だけ先に観ていいの?」「旧劇場版は飛ばしても大丈夫?」「TV版を最後に回すと置いてけぼりになる?」などの疑問を抱える方も多いはずです。
本記事では、こうしたお悩みに対して、シリーズ構造と主要な見どころを解説しながら、初めての方でも安心して楽しめる最適なエヴァ視聴ルートを丁寧にご案内します。
視聴順を決める前に知っておきたいポイント
エヴァンゲリオンシリーズを観る前に押さえておきたいのは、各作品の制作背景とコンセプトの違いです。
TV版は深い心理描写と伏線が張り巡らされたストイックな連続ドラマとして、旧劇場版はTV版のエッセンスを短時間で凝縮しつつ、新規カットで印象を強めたリミックス版として位置づけられます。
一方、新劇場版(リメイク)は映像クオリティを一新し、物語の根幹を大きく再構築。特に後半ではオリジナル要素や結末がTV版から大きく逸脱するため、「どの作品から入るか」で体験の仕方が変わってきます。
まずは、各シリーズの立ち位置と特徴を理解し、自分の視聴スタイルに合ったルートを選びましょう。
TV版・旧劇場版・新劇場版の違い
- TV版『新世紀エヴァンゲリオン』(1995–1996)
全26話で展開されるオリジナルシリーズ。キャラクターの内面に深く踏み込みながら、使徒との戦いを通してシンジたちパイロットやミサトなどNERV関係者の葛藤を丁寧に描写します。 - 旧劇場版『DEATH(True)2』『Air/まごころを、君に』(1997–1998)
TV版の総集編的編集に新規カットを加え、短時間で衝撃の展開を味わえるよう再構築。特に『Air/まごころを、君に』ではTV版最終話の抽象的エンディングが、よりビジュアルと音楽を駆使した演出に置き換わっています。 - 新劇場版Rebuild(2007–2021)
『序』から『終』まで4部作。序盤はTV版と共通点が多いものの、『破』以降は新キャラ「真希波・マリ・イラストリアス」の登場や展開でTVとは異なった分岐により、独自の世界観へと突き進みます。映像表現やBGMも全面刷新され、まったく新しいエヴァ体験を提供します。


おすすめ視聴ルートの全体像
エヴァ初心者からリピーターまで、目的や好みに応じた視聴ルートを複数用意しています。
公開順に追うことで作品ごとの衝撃をリアルタイムに体験でき、物語の因果やキャラの成長を重視する「時系列ルート」、新劇場版を軸に再発見を楽しむ「リメイク優先ルート」など、多彩なプランで自分だけのエヴァ観賞プランを見つけましょう。
時系列順の王道ルート
- TV版(1話〜26話):キャラや世界観をじっくり把握。
- 旧劇場版(DEATH2→Air/まごころ):TV版の要点を短時間で復習しつつ、補完解釈を味わう。
- 新劇場版『序』〜『終』:一気に新解釈を体験。
この順序なら、まずオリジナルの全体像を掴んでから、新劇場版での追加設定や大胆な展開を楽しめます。とくに序と破はTV版とのリンクが強いため、スムーズに世界観を拡張できるのがメリットです。
TV版『新世紀エヴァンゲリオン』の楽しみ方
TV版の魅力は、キャラクターの心の揺れや人間関係を丹念に描くことで、単なるロボットアニメとは一線を画す深みがある点です。
また初期のアニメーションクオリティの粗さも、90年代の表現として当時の熱量を感じさせてくれます。視覚的なギミックや宗教モチーフを追うだけでなく、登場人物それぞれの葛藤や成長に目を向けることで、本質的なメッセージをより強く味わうことができます。
見どころと押さえるべきポイント
- 心理描写の厚み:14〜19話でピークを迎えるシンジとアスカの衝突は、単なるバトルではなく心の解体と再構築を象徴。
- 伏線の回収:初回から散りばめられた小さな謎(カヲルの登場、ネルフ内部の暗号など)が最終話までに結実する構成。
- 宗教・哲学的モチーフ:十字架やギルガメシュ叙事詩など、数多くの象徴表現を自分なりに解釈しながら観ると、新たな発見が。


『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』旧劇場版の魅力解剖
旧劇場版はTV版の総集編とはいえ、単なるダイジェストにとどまらない「再編集の妙」があります。テンポよく展開しつつ、劇場スクリーンで観るにふさわしい迫力ある新規カットが随所に挿入されており、TV版の重厚さと劇場版ならではのスリリングな演出を同時に味わえます。
『DEATH(True)2』と『Air/まごころを、君に』の見どころ
- DEATH(True)2:TV版1~24話の戦闘・心理描写を厳選し、戦術シーンや使徒殲滅の緊迫感を凝縮。特に中盤の第7使徒戦以降、新規アニメーションでシーンを大胆に再構成しています。
- Air/まごころを、君に:TV版25・26話を完全再編集。抽象的だったラストが、音楽と映像の同期でよりドラマチックに演出され、観客に強烈な余韻を残します。とくに「補完計画」の具象化シーンは、ここでしか見られない衝撃体験です。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』新劇場版シリーズ解説
新劇場版は単なるリメイクではなく、新たな物語への挑戦として企画されたプロジェクトです。
制作陣は庵野秀明監督をはじめとするオリジナルスタッフを軸に、最新CG技術や海外マーケットを意識した演出で、エヴァの新章を切り拓きました。国内外で大きな話題を呼び、ファンの間でも賛否両論を巻き起こしたのが特徴です。
4つのストーリー概略
- 『序』(2007年)
TV版1〜6話を土台に、映像・音楽を刷新。綾波レイ登場から第6使徒戦まで、ファンに馴染みのある展開をハイクオリティで再現。 - 『破』(2009年)
TV版7〜19話のエピソードを大胆改変。真希波・マリの新登場や、シンジとアスカの関係性に新たな解釈を加え、物語は大きく分岐します。 - 『Q』(2012年)
TV版20〜24話を飛ばし、14年後の世界へ。ネルフと反ネルフ勢力の戦いを中心に、再起不能とも思える衝撃の展開が続きます。 - 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(2021年)
Rebuild完結編。これまでの謎を再解釈しつつ、新たな結末を提示。人類補完計画の最終局面が、想像を超えるビジュアルと物語で描かれます。


配信状況
新世紀エヴァンゲリオンを配信している動画サービスについて解説します。
サービス名 | TV版(全26話) | 旧劇場版2部作 | 新劇場版 全4部作 |
---|---|---|---|
U-NEXT | レンタル(ポイント消費) | レンタル(ポイント消費) | レンタル(ポイント消費) |
dアニメストア | レンタル(都度課金) | レンタル(都度課金) | レンタル(都度課金) |
Amazon Prime Video | レンタル(都度課金) | レンタル(都度課金) | 見放題(4作全て) |
Netflix | 見放題 | 見放題 | 無し |
- Netflix:TV版と旧劇場版は見放題。新劇場版は配信なし。
- Prime Video:Rebuild4作が唯一見放題、TV版・旧劇場版はレンタル(課金)。
- その他:U-NEXT・dアニなどははレンタル主体。Hulu・ABEMAなどは未配信。
配信状況はかなり限定的なのでご注意ください。TV版と旧劇場版を楽しみたい方はNetflix、新劇場版を見たいかたはAmazonPrime Videoがおすすめです。
他の動画配信サービスでも楽しめますが、レンタル(都度課金が必要)になります。
公開順と時系列順、それぞれのメリット
- 公開順
- TV版→旧劇場版→Rebuildと歴史を追うことで、制作現場の技術革新やファンの反響を肌で感じられる。
- 各作品リリース時の話題や考察をリアルタイムに追体験できるのが醍醐味。
- 時系列順
- 『序』を最初に観て、その映像と設定を起点にTV版へ入るなど、物語世界の時間軸に沿って観賞。
- キャラクターの成長や事件の因果がスムーズに理解でき、ストーリーの構造がクリアに。
まとめ:あなたに合った視聴ルートを選ぼう
エヴァンゲリオンは『どう観るか』こそが楽しみのひとつ。初見の方はまず王道ルートでシリーズ全体を把握し、次にRebuildや時系列ルートで新たな視点から再発見を。リピーターの方は、RebuildとTV版を交互に観ながらメタ的思考を深めたり、宗教モチーフや音楽面に注目して何度でも楽しめます。視聴スタイルを変えるだけで、同じ作品がまったく別ものに感じられるのがエヴァ最大の魅力です。
よくある質問(FAQ)
Q. 新劇場版から先に見てもいい?
A. 1.0⇒2.0はTV版との共通点が多く、独立したストーリーも理解しやすいですが、ラストの大きな改変を真に味わうにはTV版の伏線把握があるとより深く楽しめます。
Q. 旧劇場版だけ観る価値は?
A. 短時間でTV版のキーポイントを体験でき、劇場版独自の演出が加わるため、「時間がないけれどエヴァの本質を知りたい」人には最適です。
Q. 繰り返し観る際のコツは?
A. キャラクター心理、宗教的象徴、メカデザインなど、視点を変えて観ると毎回新しい発見があります。特に音楽や編集の違いに注目すると、作品の魅力を再認識できます。